『墓石の種類と選び方について』のお話

『墓石の種類と選び方について』

集中してお伝えしようと思います。

これからお墓をつくりたい方、今まさに、お墓づくりをご検討中の方にとって、指針として頂ける内容にするつもりです。

初めてお墓をつくる方がご覧いただければ、勇気を持って、行動出来るような、そんなお話をお伝えいたします。

実際にお墓をつくる職人としての視点を中心に、

・加工する視点

・施工する視点

・守って行く視点

・祭祀を担う視点

など、いろんな視点を織り交ぜながらお伝えしていくつもりです。

もちろん、お墓を買う人の視点が一番大切です。

なので、何か具体的に知りたい情報がありましたら、遠慮なくご相談ください。

メールはこちら

info@yatasekizai.com

※もちろん、個人情報は厳重に。
どこかへ流出は致しません。

面白くて、ためになる情報にしたいと思いますので、どうか御期待下さい。


〔お墓ことば〕

異なる多くの目を持つ事が

お墓づくりを成功へと導く


まずは墓石を選ぶ際のポイントの一つ、

【石の選び方】

についてお伝えいたします。

お墓の石を選ぶ時に、幾つか比較検討出来ることがあります。

もちろん、見た目は重要です。

しかし、どうしても主観が入ります。

入っていいのですが、主観で選ぶだけではなく、その後、客観的に確証を得て下さい。

その為に、比較できる数値というものがございます。

要は、石を比較するために数値化された情報を見比べて下さい、という話なのです。

そんな数値が色々ある中で、皆さまが一番気にされるのが

【吸水率】

です。

吸水率とは、石が水を吸い上げる率です。

調べ方と致しましては、石を一辺が約30センチの立法体に加工して、水を張った水槽にドボンと浸します。

そして48時間、そのままの状態にします。

その後、重さを計り、どの程度質量が増したかをパーセントで示したものです。

【吸水率0.05パーセント】

でしたら、0.05パーセント、重さが増したという事になります。

この数値が、低ければ低いほど水の吸い上げが少ない。

水の吸い上げが少ない方が、性質の良い石という事になります。

ではなぜ水の吸い上げが少ない方が良いとされるのか?

まず考えられるのが、見た目の変化が少ない事。

石は多孔質なので、水を吸い上げると、見た目が変わります。

石それぞれの性質にもよりますので、水を吸い上げて変化の大きな石もあれば、少ない石もあります。

お墓は野外にありますので、出来れば変化の少ない方が好まれます。

この変化をまったく

『ゼロ』

にする事は出来ません。

程度の差こそあれ、どんな石でも、水を吸い上げて変化は起こるのです。

先ずこの前提を受け入れて下さい。

そして、見た目の変化以外には、水を吸い上げて表面が変化すると、汚れが付きやすくなります。

水アカ、カビ、コケ、サビ、石材を汚したり、見た目を変化させる原因です。

すべて水、水分を触媒として拡散します。

このような出来事から、石の吸水率は低ければ低い方がよいとされるのです。

しかし、始めにお伝えした通り、見た目の嗜好があって、その後で数値判断をして下さい。

見た目の違う石であれば、その持て得る性質は変わります。

なので、吸水率が石の優劣を決めるすべてではないことも、ご理解して下さい。

実は、吸水率が高く、水をすぐ吸い上げるけども水はけも良く、あっという間に元に戻る【石】もあります。

それらのお話は、また追々お伝えしたいと思います。

今回は、石材の判別数値として、

【吸水率】

があり、

【低い方が好ましい】

と覚えておいて下さい。


〔お墓ことば〕

お墓の時間は、私たちの世界より 長くゆっくり流れて行く


続きまして、お伝えするのは、

【お墓の強さ】。

正確には

【石の強度】

になります。

お墓の強さを高めるには、様々な施策、検討項目があるのですが、まず大切になるのが、素材そのもの。

石材の強さです。

お墓は石でできています。

最近では樹木であったり、ガラスであったり、金属も使われていますが、基本は石。

原材料である石の強さは、そのままお墓の強さに関連します。

当然といえば当然です。

お墓は、原材料のほぼ100パーセントが石です。

もちろん加工して使います。

しかし、加工と言っても、切断してカタチをつくり、磨いて組み立てる。

なので、どこまでいっても、その成分自体は石そのものです。

何かを混ぜたり、生成できるものではありません。

そこがプラスチックや金属を原材料とした加工品とは大きく違うところ。

良くも悪くも墓石の大きな特徴です。

さて、ではその石の強さを比較する際は、何に着目して調べれば良いのでしょうか?

実は、

【圧縮強度】

という、便利な数値が調べられています。

石を圧縮して加重をかけて、破断する時の最大応力の事でしす。

別の言い方をするとしたら、どれだけ加重に耐えられるかを検査した数値。

これが高いほど強い、という事になります。

なので、高い数値の方が、寄り強い圧に耐えられた、という訳になりますです。

先日お伝えした吸水率は、少なければ少ないほど良いとされ、圧縮強度は大きければ大きいほど良いとなります。

少しややこしくて申し訳ありませんが、数字での比較に関しては、そのようになります。

ただ、現代のお墓の材料で使われている【花崗岩】は石材の区分でいくと硬石か準硬石で、コンクリート以上の強度を持っています。

そもそもが弱い素材では無い事をご理解下さい。

結局、石材同士の中で、どちらが優れているのか?

という争いです。

とは言え、実は石には

【ねばり】

という不可解な要素があることも事実。

実際、私たち職人が加工をしてみると、とても硬い石のはずなのに、ねばりが無いために圧縮強度の数値が
低い石もあります。

逆に、あまり硬度を感じられない石なのに、ねばりがあるために圧縮強度の数値は意外と高めになっている石もあります。

これは、実際に石を加工している職人たちの肌感覚ですから、数字で表されるものではありません。

しかしながら、私たちが石の性質を見極める時には、見逃せない特徴です。

一応このことも、頭の片隅に入れておいて頂けると大変嬉しいです。

色々お伝えいたしましたが、自然界にある素材としては、石はぶっちぎりに強固。

形状維持、経年劣化に関しては、木材などとは比較にもなりません。

基本的な圧縮に対しての強度は問題ありません。

石選びを行う際に比較検討要素の一つとして、ご活用いただけましたらありがたいです。

この後は、【耐久性】についてお話ししたいと思います。

お墓の耐久性。

これも重要な比較項目ですよね。

耐久性は、長持ち力に直結しますから。

ご期待下さい。


〔お墓ことば〕

見た目より中身が大切お墓と人間


さて、続いてここからのテーマは耐久性。

お墓の耐久性です。

要は長持ち具合ですね。

当然ですが、お墓は建てて終わりではなく、長い年月皆さんで守って行くもの。

故人やご先祖さまをお祭りします。

そして、いつの日にかは、建立者そのものがお墓で祭られる。

そう考えますと、少なくてもご自身以上に長持ちしてもらわないと困ってしまう。

自分を納めてもらう時、壊れていたり、傷みが激しかったらちょっとさみしい気持ちです。

なので、お墓は出来上がったその時以上に、年月が経ち、どうなって行くかがとても重要。

その耐久性には、石そのものだけではなく、つなぎ部分も考えないといけません。

石そのものの耐久性は、使用されてきた歴史をひも解けば、概ね分かります。

その観点で行くと、日本の石は安心できます。

お墓として建立され、10年後、20年後、30年後、中には100年後、200年後にどう変化していくか、状況が分かる石もあります。

歴史のある石ですね。

庵治石は400年の歴史だそうです。

岡崎の青石は300年ほど。

それらの石は、やはり安心。

しかしながら、このような石は稀。

最近のお墓は、ほとんど海外の石です。

例えば黒系石材。

日本で黒石が採掘されていないという状況もありますが、お墓に使われているのは、そのほとんどが海外の石。

いろんな石材が輸入されています。

代表的なのはインドのクンナムやスウェーデンのファイングレイン、そしてアフリカのベルファースト。

原石として、昔から意外と長く輸入されています。

しかし、世は変わりました。

最近では原石ではなく、加工された製品、もしくは半製品として輸入されます。

そうすると、最近採掘されたばかりの石も輸入されてきます。

そんな石の中には、磨きをかけた直後は美しいのですが、半年も野外のあるとキズだらけになってしまう、そんな石もあるのです。

ですから、出来る限り、歴史のある石を選んで頂けると経年での変化が分かるので、使うこちらも安心できます。

そして実は、もう一つ懸念事項がございます。

それは、採掘場の閉山。

日本の採掘場でも少しづづ始まっています。

後継者がいないことによる、採掘場運営不可能状態。

それによって、山が閉山されてしまいます。

岡崎でも、すでに数か所の山が閉山しています。

そして海外。

特に中国の沿岸部。

産業の発展により、採掘場の存在そのものが危険となり、政府主導で採掘禁止になります。

それは突然起こったり、何となく前触れがあって、

「ああ、やっぱり止められたか」

なんて感じで閉山します。

閉山された山の石は、すぐになくなるわけではありません。

閉山される直前は、在庫を増やすため夜を徹して採掘が続けられます。

なので、閉山した山の石も市場から消える事はありません。

しかし、良質の材料から先に使われますから、その後の補充が無いわけで、質はドンドン悪くなります。

なので、閉山された山の石は、基本使わない方が良いでしょう。

そして、保証として石に何か不備があった際、取り換えなどの措置が成されるかどうか。

例えば、矢田石材店でしたら、キズ、欠け、は補償対象。

お取り換えをさせて頂きます。

しかし、吸水での色ムラ、変化劣化は程度問題ではありますが、何でも取り替えられるわけではありません。

お墓は野外にありますし、原材料である石の特性を考えれば、起こり得る現象です。

そして、本当に大切になってくるのは石自体の耐久性ではなく、結合部の耐久性。

接着剤や金具などです。

それらの物質は、明らかに石よりも早く傷みます。

接着剤については、外装のシーリングでしたら5年です。

5年経ったらやり直すのが、本当は正しいメンテナンス方法。

しかし、お墓で5年は早すぎる。

内部の接着剤や緩衝材については、紫外線劣化も少なく、メーカーからは30年ほどは持つだろうと言われています。

という事で、皆さんあまり気にされない。

まあ、継ぎ目を埋める外装材ですから、気にされなければ良いだけです。

ただし、強度は明らかに落ちて行くことは間違いありません。

問題なのは、それらの事実を正しく伝えるかどうか。

その事実を知ったうえで、お客さまの方で判断して頂く。

目安が30年なので、次世代の仏さまが祭られる時、修繕するのが妥当かなとも思います。

結論と致しましては、お墓の耐久性を考えた時、石そのものはもちろんですが、重要なのはその結合部分。

経年劣化が必ず起こることを念頭に、数年でのメンテナンスは必ず起こると認識して下さい。

そして、石そのもに至っては、出来る限り歴史のある方が安心してお使え頂ける。

長持ちするお墓の秘訣でした。


〔お墓ことば〕

数字だけで計り得ぬ歴史がお墓にはある


先ほどまでのお話しで、

【墓石の種類と選び方】

の中でも、結構重要な、石の選び方に関して、その指標などについてお伝えいたしました。

吸水率、圧縮強度、そして耐久性。

どれも大切な項目です。

ご参考頂けましたら幸いです。

さて、ここからは墓石の特長について、もう一つ皆さんが気になる

【国別の特徴】

などについて、お伝えしていきます。

先ず皆さん気にされるのが、

【日本の石】と【海外の石】

なので、はじめは日本の石について、お伝えいたします。

よく、

【国産墓石】

という表記のされ方を致します。

実はこの国産墓石、大きく2つにわかれます。

日本で採掘され、日本で加工された石。

そして、日本で採掘され、海外(中国)で加工された石。

どちらも日本で採掘された石です。

しかし、加工地が違う。

海外に渡っているのは、すべての石材ではありません。

例えば、岡崎の青石。

これらはすべて、日本から海外に渡る事はありません。

山が禁止しています。

海外に渡っている石は意外と多いです。

愛媛の大島石、佐賀の天山石、茨木の真壁石など。

採掘量の多い石は、たいがい中国に送られています。

その理由は加工費を抑えるため。

なので、中国で加工された日本の石は、日本で加工された石よりも、価格が低く抑えられます。

輸出して、もう一度輸入されているのに、安いってすごい!と思いません?

その理由は加工費における人件費の違い。

中国の方々の賃金は過去と比較しても上がっているのですが、それでも日本でつくるよりは断然安い。

この事実があるため、日本の石は中国に送られ、加工されて日本に帰ってきます。

価格が安いなら、どの石も中国に送ればいいじゃないかと思われるかもしれません。

しかし、細かいところを比較致しますと、加工の差は出ます。

例えば、表面の仕上げ。

そして、研磨の工程。

さらに、接合部の精度。

角部の精密さなど、比較すれば違いはあります。

そして、日本の職人が加工する場合、やはり、

【まごころ】

という部分で、差が出るのです。

お施主さまのお顔や、お墓づくりの背景が見えるため、妥協ポイントが高いのです。

お墓の素材である石は、天然の素材です。

キズもあれば、見た目のムラもあります。

加工精度においても、一般の方々が見分けられるものと、そうでないものがあります。

簡単に言ってしまえば、手抜きをしようとすれば、けっこう出来るものなのです。

でも、それをしない、出来ないのは、やはりお施主さまを近くに感じる事が出来るから。

気持ち悪いと思われるかもしれません。

しかし、結局人間のやることです。

そういった想いの部分は、とても大きいと思っています。

同じ日本人であるが故に、どのような方が、どのような背景で、誰のためにお墓をつくるのか、想像できるのです。

同じ文化を共有しているからこそ、出来得ることだと思います。

石を加工しているのではありません。

お墓をつくっているのです。

日本の石でお墓をつくる場合、石の性質などではなく、その部分が大きく影響していると思います。

だからこそ、出来上がったお墓の前でお施主さま達が

「何故か落ち着くね」

と言って下さるのだと思います。

石がお墓の素材として、何万年も使われてきた理由。

それは、やはり想いが伝わるから。

お施主さま達の想いも伝わりますし、お手伝いする私たちの想いもわるのだと信じています。


〔お墓ことば〕

まごころをこめたお墓づくりは、100パーセントを越える


【国産の石】

にも、いろんな考え方があり、すべてを同じには考えられませんよ、という事をお伝えいたしました。

ということで、続いては

【海外の石】

について、思う事をお伝えいたします。

まず、一言で海外の石とお伝えしても、いろんな国の石材がございます。

日本国内に最も多く輸入されているのは、中国の石。

次いでインド。

この2つの国以外には、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカなどもあります。

日本への石材輸入が本格的に始まったのは、およそ40年ほど前から。

当時は原石での輸入が主流。

加工されていない、山から切り出された状態で、海を渡ってやってきます。

その原石を、日本の石材店が加工して、墓石として流通されました。

しかし、現代はその流れではありません。

すでに墓石として、加工された状態で日本に輸入されます。

日本の石が、わざわざ海外に行って、加工されてくるわけですから、当たり前と言ったら当たり前です。

では、海外の墓石材が、日本の墓石材と違う所は何なのでしょうか?

実際、石それぞれの特性、性質は、以前お伝えした物証データを比較して頂くのが一番です。

その際、気をつけて頂きたい事と致しましては、

【国別の色眼鏡】

を外して頂きたい。

どういう事なのか。

日本の石、中国の石、インドの石というカテゴリーで区切らずに、石それぞれの個性を比較しほしいのです。

どこの国の石なのかという判断基準だけで優劣を決めないで下さい。

例えば、

『日本の石は良い・中国の石は良くない』

『日本の石は長持ちする・中国の石は溶ける』

『日本の石は硬い・中国の石は柔らかい』

『日本の石は変化しない・中国の石は変色する』

実際は上記の様な事実はございません。

繰り返しになってしまいますが、国別ではなく、個々の石を比較して下さい。

日本の石の時もお伝えいたしましたが、国別で変わるのは、加工された場合の精度や品質です。

石そのものが持つ特性は、国別の振り分けはありません。

なぜならば、国という区別は変動するからです。

極端な話ですが、日本が中国の属国になれば、日本の石はすべて【中国の石】になります。

また逆も然り。

なので、産出地として国別の判断は、あまり重要ではありません。

繰り返しになってしまいますが、加工地としては結構重要です。

ただ、誤解が無いようにお伝えしたいのですが、中国など海外での石材加工に問題がある訳ではありません。

彼らは細かい仕事は得意ですし、図面通りに加工することは間違いありません。

図面が出来てから、最短2週間で日本に届く事など、驚異的な加工速度です。

日本の工場では、発注から2週間で墓石をつくり上げる事は、ほとんど不可能です。

本当に素晴らしい。

しかし、石材表面の仕上がりや、角部の加工精度、接合部の緻密なつくりに関しては、弊社の求める基準には達していません。

なので、中国から輸入されてくる石材のほとんどが、再加工され、仕上げを施されてから出荷されます。

簡単にまとめると、石を切ってカタチをつくり、磨くところまでは合格。

内部の結合や精巧な加工は、手直しが必要。

この観点で物事を考えますと、すべての墓石材が、

【メイドイン矢田石材店】

になります。

まあ、誤解も生まれますので、そうは言いません。

しかしながら、墓石屋を名乗るのであれば、海外の石材を使うにしても、この程度の手間暇はかけて当然。

最低限の取り組みを行なわないと、良いお墓をつくることはできません。

中国で加工された墓石を、そのまま墓地へ運ぶことは、お米をとがずに飯を焚くようなもの。

ありえないです。

海外の石材は、工夫と管理で上手く付き合って、効果的に使うコツが必要となります。


〔お墓ことば〕

地球という規模で考えれば、どのお墓も素材は同じ


ここまで、

【墓石の種類と選び方】

という事で、

日本の石、海外の石について、ボソボソとお伝えしてきました。

ここらでちょっと、石から離れてみたいと思います。

もちろん、墓石の素材は石ですし、完全に離れる事は出来ません。

しかし、お墓づくりで重要なことは、石そのものではない。

そのカタチにこそ、祈りの本質が込められている。

そんな気が致します。

なぜなら、例えば日本の仏教における各宗派の違い。

お墓で使われている石を見ても、宗派の特定は出来ませんが、カタチを見れば、概ね想像が付きます。

文字まで見れば、間違いありません。

ですから、お墓の事を考える時、カタチ、デザインの選択は非常に重要です。

後ほど、詳しくお伝えいたしますが、お墓のカタチ・デザインは、大きく分けて3つに分類されます。

まずは和型墓石。

一番オーソドックスで、最も多く墓地に建てられています。

皆さまが、

【墓石】【お墓】

と聞いて、真っ先に連想する形状。

ところが近年、お墓デザインの自由化に伴い、建立される割合が減っています。

とは言え、まだまだ数の上ではナンバー1。

お墓と言えば、基本は和型墓石です。

和型に次いで、建立数が多いのは洋型墓石。

これはオルガン型とも呼ばれ、和型に対しての洋型ともいえます。

和型はタテに長い形状ですが、どちらかといえば、横に広がった、低重心のデザインです。

そして、オリジナルデザイン型。

和型でも洋型でも無い墓石です。

お施主さま達ご家族の趣味嗜好が、色濃く繁栄した形状が多く、唯一無二のお墓になります。

宗教的意味合いを、強く影響させているオリジナルデザインもあります。

オリジナルデザインという言葉は、自由を連想させてくれますが、決して無宗教であったり、信心の無い方が選ぶわけではない。

むしろ、故人さまやご先祖さまへの想いや、神仏への畏敬の念が強い方が、オリジナルデザイン墓石に挑戦します。

以上の3分類が、基本的なお墓のカタチの分け方です。

もちろん、それぞれのカタチにも、宗教性や地域性が加味されて、いろんな系譜に細かく分かれます。

ここからはもう少し詳しく、それぞれのデザインについて
お伝えします。

ご期待下さい。

何か質問等ありましたら、
遠慮なく。

info@yatasekizai.com


〔お墓ことば〕

形にしなければ伝わらない想いをお墓で現す


ここからは和型墓石について、少し解説をしたいと思います。

お墓の種類と選び方の中でも、

『カタチ』

をテーマにした内容です。

伝統的なカタチと言われる

【和型墓石】

どんな形状を思い浮かべられますか?

四角四面の石が、3段、もしくは4段に積まれ、一番上の石はタテに細長い。

これが、皆さまが想像する和型墓石ではないでしょうか?

もしくは、

『お墓』

『墓石』

と言われ、頭に思い描く形。

少し話が飛びますが、矢田石材店の採用面接では、

『お墓を描いて下さい』

という時間が設けられます。

その際に、どなたもが描かれるのは、上記に示した形状。

上手い下手は別として、和型墓石を描いてくれます。

皆さまの頭の中にある

『お墓』

は、やっぱり和型墓石なのです。

ですが、実はその歴史はそんなに古くありません。

せいぜい100年、あるかないかほど。

それ以前は、

『五輪塔』

と呼ばれる供養塔の類であったり、現在では

『位牌型』

という、位牌のように平たい石がメインとなっているお墓が主流でした。

古い墓地に行って、歴史あるお墓を見ると、概ねこの形状です。

だから、実は伝統的なお墓じゃないんです、と言うつもりは毛頭ありません。

矢田家のお墓もいわゆる

『和型墓石』です。

子供のころから見慣れているので、落ち着くお墓はやっぱり

『和型墓石』です。

そして、つくり手としても、和型墓石は優秀です。

まず、石のロスが少なくて済みます。

ほとんどの部材が四角四面。

石を丸く加工したり、削る部分が少ないです。

なので、必要な材料と、出来上がる見栄えが正比例します。

和型墓石の原則から外れるほど、デザインは個性的になりますが、その反面ロスも大きくなります。

どちらが正しいという訳ではありません。

ただ、『和型墓石』も選択肢が無い訳ではありません。

例えば、大きさで示される個性。

大きさを表す

【8寸角】

【9寸角】

【尺角】。

それぞれの比率が決まっていて、順番に大きくなります。

墓石は【尺貫法】で明記されてきましたから、上記のような表現になります。

8寸は約24センチ。

9寸は約27センチ。

尺は30センチです。

そして、「角」ですから、四角い形状。

数字は四角の一片を表しています。

愛知県で最も多くつくられているお墓は

【8寸角和型墓石】

です。

しかし、地域が変われば、標準の大きさも変わります。

一般的にですが、山間部に向けて北上するとお墓は大きく、海辺に南下すると小さくなります。

地域性もありますが、周りの方と同じくらいのお墓にすると収まり良く、見栄えも間違いありません。

そして、細かいカタチの話になると、仏教各宗派の考え方によって、てっぺんの頭の形状が変わります。

神道のお墓は、仏教のお墓と比べタテに長く、頭のカタチは

【トキン型】

といって、四角錘。

線香立ては無く、ローソク立と八足台と呼ばれる台座が必要になります。

花立は神仏共通。

仏教式では、線香立、ローソク立、水鉢などの小物類が墓石の前に設置されます。

そして気になる納骨方法。

現代の墓石は、線香立、もしくは水鉢を退けると、納骨室へ繋がる入口が設けられています。

中の構造は、ご遺骨をそのまま納めるのか、お骨壺のまま収めるのかで変わってきます。

長くなりますので、その辺りのお話しはまた別の機会に致しましょう。

その他、和型墓石として分類されるお墓は、

・墓相式

・五輪塔

・仏塔の類

そして、最近では

・デザイン和型

・モダン和型

などという形も表れています。

時代と共に、その表現方法は変化しています。

しかし、あくまでもお墓の本質は変わりません。

大切な人に対して、あちらの世界でのしあわせを願い、残された家族への感謝を示す。

行けば心が落ち着く、

【家族の聖地】

それがお墓だと思います。

なので、和型のお墓の前に立ち、自然と手が合わせられるのであれば、それが最適なお墓となります。


〔お墓ことば〕

見て落ち着く

拝んで鎮まる

これがお墓の基本です


洋型墓石の話を続けます。

実は、洋型墓石を選ぶ場合、2通りの方々がいらっしゃいます。

少し乱暴な言い方になってしまうかもしれませんが、

『洋型墓石が良い』

と思う方と、

『洋型墓石で良い』

と思う方。

『洋型墓石が良い』

と思う方は、主体性を持って、お墓をお選びになった結果、選択肢としての

【洋型墓石】

を求められています。

しかし、

『洋型墓石で良い』

という方は、

【和型が嫌】

もしくは

【和型以外なら良い】

という考えで洋型墓石をお選びしている。

まあ、間違いではありませんが、出来る事ならば、前者であってほしい。

まず、洋型墓石を選ぶ方の傾向をお伝えいたしましたが、お墓づくりは嫌々行うものではなく、楽しんで頂きたい。

もし、楽しくないとお感じでしたら、私ども墓石屋の役不足が原因でしょう。

ありがたい事に、矢田石材店でお墓をつくって下さる方々は、概ね楽しんで下さっているように思えます。

まあ、楽しくなければ、お墓つくること自体止めてしまますものね。

話を戻しましょう。

洋型墓石をカタチから入って選ぶ時のコツです。

特徴としては、和型と比べて背が低く、低重心なデザインになります。

故に、地震などの揺れに強いというメリットが考えられます。

中には、石板を地面に埋め込むスタイルの、絶対に倒れるという事が無いデザインのお墓もあります。

ただ、そうは言っても、対策なしではいけません。

和型墓石と同じように、内部構造は強固に考えられています。

洋型墓石はタテ・ヨコのの比率が均等ではない形状になるので、一方向のみではなく、全方位からの揺れや衝撃に対応する工夫が必要となります。

具体的には、中心部での固定や補助ではなく、4隅、4か所の補強、もしくは広く2点での補強。

もともと低重心なので、土台部分は比較的頑丈なはず。

頭でっかちになり過ぎないように、気をつけないといけません。

そして、形状をつくるための切断や削り出しの際、なるべくロスが少なくなるように、注意が必要です。

洋型墓石は見た目のやさしさや穏やかさを表現する為、角を丸めたり、石を斜めにカットします。

そのカットされた部分や削った部分も、材料として石の費用になりますので、ご注意ください。

石は無垢の状態から削り出しで、加工致します。

なので、完成の状態が丸みを帯びていればいるほど、出来高は低くなります。

形状を考える時は、その事実も考慮して下さい。

そして、これらの加工に関しては、国内で行う場合と、海外で行う場合は加工費が大きく変わります。

海外、ほぼ中国ですが、精巧な加工でなければ、加工費はそれほどかかりません。

しかし、国内の場合そうはいきません。

加工に必要な時間、道具の減りも考慮され、加算されます。

このような理由からも、洋型墓石は海外の石がよく選ばれます。

色合いがカラフルで、選択肢も増えるという理由も、当然あります。

しかし、程度の差こそあれ、特別な加工費が必要無いので、洋型墓石はほとんど海外でつくられます。

逆に言えば、洋型墓石がここまで普及したのは、海外(中国)で墓石を加工する仕組みが出来たからと言い換えられます。

四角四面のデザインではなく、加工を加えた形状をお求めの際は、圧倒的に海外製の方がお求めやすいと
覚えておいて下さい。

弊社のように、地元で石材が算出する地域は、地元の石を使った洋型墓石もつくります。

その数は意外と多いのですが、市場に多くは流通できません。

地元愛の方、日本愛の方にしか受け入れられませんからね

そんな素敵な洋型墓石なのですが、気をつけて頂きたい事があります。

多くの洋型墓石を墓地で見かけるようになったとはいえ、まだまだ和型主流の地域は多く残っています。

そういった墓地で洋型墓石をつくる、もしくは墓地で初めての洋型墓接建立になる、という場合は、周りの方が大変注目致します。

なので、洋型墓石ということでデザインも目立つ、石の色合い、柄も奇抜であったり派手、という事にならないように気をつけて頂きたい。

デザインが派手でしたら、石はおとなしめに。

石が派手でしたら、デザインはおとなしめに。

両方主張が激しいと、注目度が激しすぎて、皆さまに理解されず、後指を指されてしまうかもしれません。

めんどくさいと思われるかもしれませんが、墓地とはそのような場所なのです。

田舎であれば、それこそ独特のコミュニティーの場。

どうかお気をつく下さい。

そして、出来上がった当初は、お参りに行かれる回数は出来る限り多く。

皆と違うという事は、それ相応の責任が圧し掛かるのです。

「なぜあの人はみんなと違うお墓なのか?」

と思われるのです。

そのお墓の花が枯れていたら、

「変わった人だ」

「皆と違うお墓つくりたかっただけか・・・」

「せっかくつくったお墓がかわいそうだ」

と、想像されます。

ですから、皆さんから認められるためにも、完成当初のお墓参りは多めにがんばりましょう!


〔お墓ことば〕

嫌で選ぶも 好きで選ぶも 自主性を持ったお墓づくりを


先ほどまでのお話しで、和型墓石、洋型墓石と続けてきました。

ここからはその先の世界、オリジナルデザイン墓石についてお話しをさせて頂きます。

まず、気になる所で、

【オリジナルデザイン墓石の定義】

って何?

とよく聞かれます。

これにつきましては、諸々考え方があると思いますが、私どもは

・唯一無二の存在

・その人、その家族でなければ、成しえなかったお墓

・他のお墓には無い絶対個性が含まれている

こんなところで定義しています。

なので、自然石を使ったお墓も、オリジナルデザイン墓石として扱っています。

同じものは絶対につくれませんからね。

その石の持つ風合い、雰囲気、形状を気に入って下さったわけですから。

ただ、ご自身でお墓のデザインをしたり、自由な発想で個性を込められる時、とても大切な考え方があります。

それは、

【お墓は祈りの対象】

であるということ。

手を合わせて拝まれるのです。

最低限、これは守らないといけません。

誰もがそのお墓の前に立った時、自然と手を合わせ、心静かに拝むことができる。

お墓には、必ず備わっていないといけない条件です。

自由とは言え、何でもOKという訳ではありません。

逆に自由すぎて、どうしていいか分からない、と思われるかもしれません。

そこは墓石屋に任せて下さい。

過去の経験やお客さまの思いをくみ取り、具体的なカタチに落とし込みます。

その際に気をつけたい事柄と致しましては、やはり具体と抽象のバランス。

デザインが具体的であればある程、独創的になります。

唯一無二の存在です。

しかし、不変性は失われる。

お墓として、何代にもわたって皆さまから拝まれるには、ある程度の宗教的意味合いを持ち、お墓としての佇まいを醸し出さないといけません。

オブジェやモニュメントではありません。

そんなものは何処かの公園や自宅の庭にでもつくって下さい。

あくまでも

【お墓】です。

じゃあ、どうしたらお墓としての普遍性を持つことができるのか。

先ほどの、

【唯一無二】

の考え方と矛盾していると思われるかもしれませんが、次の世代になっても、お墓として使えるかどうか。

お墓は継承されるものです。

もちろん、現代は子子孫孫ではない方への継承も考えて行かないといけません。

しかし、基本は子供、孫への継承。

その際に、快く受け継いでもらえるかどうか。

これが大切です。

その為には、見た目であるデザイン上の普遍性と、構造上の強度が求められます。

カタチは先ほどお伝えいたしましたが、もう一つ大切になってくるのが、強度と経年での劣化具合。

デザイン系の墓石になりますと、どうしてもカタチが洗練され、強度は二の次になりがち。

しかし、地震などの対策も含め、継ぎ接ぎだらけの墓石ではお話しに無りません。

石の組み方、内部の構造、見えない部分の補強的加工、接着剤や金具での補助。

様々な要素を組み合わせ、100年は経常保持ができるつくりを目指します。

当然ですが、途中でのメンテナンスは必要です。

しかしながら、接着剤でベタベタくっつけて、メンテナンスもできないお墓はNGです。

接着材などの化学剤は、紫外線や水の影響を受けやすく、早ければ5年で劣化。

長く持っても30年です。

住宅メンテナンスを参考にして頂ければ、お墓だけ無条件で長持ちするわけはないとご理解頂けると思います。

あまり脅すわけではありません。

ただ、お墓をつくる時は、この程度の事は当たり前と認識している墓石屋さんと、パートナーを組んで下さい。


〔お墓ことば〕

無個性墓も実は立派な個性墓


ここまででの話で、墓石をカタチ・デザインで選ぶ方法をお伝え致しました。

大きく分けて、

・和型墓石

・洋型墓石

・オリジナルデザイン墓石

の3分類があり、それぞれに特徴があるというお話しでした。

正直カタチの話は、目で見ての分別なので、文字情報のみは厳しいです。

とは言え、それなりに選び方のコツなどは、諸々お伝え出来たかと思います。

そして、ここからは

【墓石の色】という、

これまた文字だけでは難しいテーマに移ります。

いかがでしょうか、

【墓石の色】

と言われて頭の中には、何が思い浮かびますか?

お墓参りを頻繁にしている方、家族でお墓を守っている方は、そのお墓の色が目に浮かぶと思います。

あまりお墓に縁がない方でしたら、恐らく

【グレ-】

とか、

【ねずみ色】

じゃないでしょうか。

平均的、一般的な墓石の色はやはり

【グレー】

になると思います。

これは石材の選び方の時にもお伝えいたしましたが、見慣れている環境に起因しています。

私たち日本人は、グレーのお墓を見慣れているのです。

だからお墓の色は

【グレー】

になってしまいます。

しかし、ヨーロッパの墓地をご覧になったことがりますか?

墓石の色は

【白色】

【ホワイト】

です。

大理石でつくられていますからね。

このように、環境が変われば、墓石の色は変わります。

日本でも、北陸、東北、北海道などの寒冷地では、黒い墓石の比率がとても高い。

実は、色の持つ力って意外と大きく、石選びの時にお伝えした、強度や耐久性などの

【数値的】

な判断基準以上に、皆さまの意識に強く影響します。

という事で、次からは

【墓石の色】

について、色々と考察を深めてみたいと思います。

石の持つ色合いについて、反対色を使うとどうなるのか?

墓石の保護色の話。

大きく見せたい時の石の色。

逆に目立たなくするためには、どんな色の石にしたらいいのか。

見た目に大きく左右する、

【墓石の色】

を、一緒に考えてみましょう。


〔お墓ことば〕

墓色で分かる運勢判断


さて、

【墓石の色】

ですね。

新しい大型霊園などに行きますと、カラフルでいろんな色合いの墓石と出会えます。

見ていてとても楽しい気分になります。

多くは海外の石です。

日本の墓石事情も、大きく変化したものだと思います。

しかし、変わらない事も多い。

それが

【墓石のイメージ】

そして、

【墓石の色】

その中でも、やっぱり王道は

【グレー】

【灰色】

【ねずみ色】

まあ、言い方は違いますが、あの色です。

皆さんが、

【お墓】

【墓石】

と言われて連想する色合いですね。

何であの色が皆さまの

【墓石色】

を支配しているのかといえば、

【見慣れているから】

じゃないのかなという話もお伝えいたしました。

個別の墓石で調べてみましょう。

まずは地元岡崎市の墓石材

【三州みかげ】。

【青石】とも呼ばれていますが、

この石はラジオの放送時にも、女子アナの小高さんや、つボイさんから

「青じゃなくてグレーだよね」

と、ご指摘を頂いています。

ええ、青石と名乗っていますが、実際の色はグレーなんです。

悪気がある訳じゃないんです。

昔からの呼び名です。

このことからも、岡崎の高級墓石はグレーであるという事がわかります。

そして、愛知・岐阜・三重近辺のお墓は、岡崎の石が原材料となっていることが多い。

よって、昔からお墓にある墓石は、グレーで、皆が見慣れているという事になります。

地元の状況は分かりました。

では、その他の地域はどうなのか?

別の地域では、他の色に見慣れていないか、気になります。

関西地域での、石の供給源は香川県の庵治地域。

そこでの最高級石材は日本一の名が轟く

【庵治石】

です。

その庵治石は何色か?

やっぱり

【グレー】

なんです。

関西地域でも、高級石材は【グレー】。

じゃあ関東は?

関東圏の石材供給地は、茨木県の真壁。

真壁の石は・・・・

【白】

です!

しかし、真壁石は最高級石材ではありません。

関東圏での最高級石材は

【羽黒青糠目石】

出ました!

【青】の文字!

そうです。

青じゃありません。

濃いグレーです。

これらの状況から、日本中で最高級と言われている墓石材は、みなグレーの石。

という事がわかりました。

こんなことからも、皆さんがイメージする墓石の色は

【グレー】

になってしまうみたいです。

お墓らしいお墓。

普遍性を大切にしたお墓づくり。

年輩のご親類さま達が納得する墓石。

お寺の住職さまが認めてくれる墓石。

上記のような墓石を目指すのであれば、やっぱりその選択肢は

【グレー】

で絞るべきであると思います。

もちろん、最高級の石材でなくても構わないと思います。

今は、日本各地からも、海外からも、様々な石が流通しています。

選択肢はいっぱいあります。

定番墓石をお望みであれば、色は【グレー】と覚えておいて下さい。


〔お墓ことば〕

高級墓は他人が認める指針なり


さて、先ほどまでのお話で

『墓石の選び方 色で判別 グレー編』

をお伝えいたしました。

ここからは

『白色編』

です。

白い石を使ったお墓づくりです。

先ず見た目の雰囲気は明るめになります。

ホコリも目立ちません。

水を吸い上げての経年変化も、色のある石材よりも目立ちにくい。

何よりラインナップが豊富です。

日本の石でしたら、

【愛媛の大島石】

【茨木の真壁小目石】

【福島の紀山石】

【豊田の花沢石】

などが白い石の代表格。

※矢田石材店内の話です。

海外の石でしたら、中国はたくさんあり過ぎ。

韓国の栄州が有名でしょうか。

余談ですが、白い石と言えば大理石。

墓石材としてはふさわしくありませんが、御影石と比べて、白の主張は激しいです。

・バルカンホワイト(ギリシャ)

・ドラマチックホワイト(ギリシャ)

・ビアンコカララ(イタリア)

※ビアンコとは、イタリア語で白。

さすがです。

日本人では恥ずかしくなってしまうような、強烈な自己ピーアール。

話しが大きくそれましたので、そろそろ戻しましょう。

白系の石は清楚な感じや、透明感のある雰囲気が特徴です。

透明感という言葉が出ましたので、ついででお伝えいたします。

皆さまが【白い石】と認識されている中で、実は白ではなく、石に色が無いので、白く見えるケースがございます。

無色透明。

その代表格は岡崎の

【宇寿石(うすいし)】

石肌が透き通って見える、色の無い石です。

ご興味ありましたらぜひ、ご覧下さい。

さてこのような、

【白い石】たちを使ったお墓づくり。

【神道のお墓】

であったり、

【墓相のお墓】

によく用いられます。

神道のお墓とは、神さまとして故人、ご先祖さまをお祭りする宗教。

墓相のお墓とは、一定の法則に従ってお墓をつくり、開運・業の滅却を目指す考え方。

カタチや考え方が目立つ分、墓石の色はおとなしい方が好まれます。

白いご飯、白い服と同じで、白いお墓は何にでも合いますし、飽きが来ません。

オーソドックスで明るい感じを、お墓に求める方は一度ご検討いただければと思います。


〔お墓ことば〕

澄みきったお墓には 澄み切った想いが宿る


お墓に使われる石の色について、色々と話を進めてまいりました。

【グレー】

【白】

ときましたから、続いては、

【黒】

にしましょうか。

みなさんお分かりのように、黒という色はそもそも汚れやすい。

黒い車に乗ったことがある方なら、その大変さは容易に想像つきますよね。

私も一番初めに乗った車が黒でした。

なけなしのお金をはたいて買いましたから
当時は大事に乗っていました。

なので、頻繁に洗車していたのですが、
本当に残念な日々でした。

墓石屋の工場です。

当時は周りにもたくさん同業が居ましたから、石の削り粉が街中に舞っていました。

という事で、洗車しても夕方には車が真っ白になっていました。

黒いお墓も同じです。

ホコリなどの汚れは非常に目立ちやすい。

その反面、水アカなどの黒い汚れは非常に目立ちにくい。

なので、気付かないうちに水アカに侵されます。

管理は大変。

でも、黒いお墓には、その他の色合いには無い、素敵な要素が含まれています。

それは高級感。

先ほどお話しに上がりました、

【黒い車】。

高そうですよね。

政治家の乗る車、

高級官僚の乗る車、

社長さん達が乗る車、

そして暴れん坊の方が乗る車。

概ね黒い車です。

そして、【黒い服】

喪服に代表されますが、式典には欠かせませんし、落ち着きある色です。

そして黒髪。

最近では髪の毛を染める方も多いですが、黒い髪は神秘性を帯びています。

髪が茶色になれば、明るく軽いイメージになります。

黒は

【高級感】

【神秘性】

【重厚感】

を醸し出す色なのです。

お墓において使われる

【黒石】

は、黒みかげ石とも呼ばれています。

ですが実際は

【御影石=花崗岩】

ではなく、閃緑岩や斑レイ岩の通称とされています。

正式な分類ではなく、一般的な呼び名です。

時には黒雲母を主成分とする、花崗岩もこの名で呼ばれることがあります。

ややこしいですが、花崗岩とくらべ、そもそも成分が違うとだけ覚えておいて下さい。

そして、日本で採掘されている黒石はほとんど無く、海外(インド・アフリカ・スウェーデンなど)からの輸入が基本です。

日本では唯一、福島原産の浮金石(うきがねいし)が黒い石として有名です。

そんな黒い石の特長です。

まず、白い石などと比べ、硬くて加工難度が高い。

つくるのに手間がかかるという事です。

逆に言えば、劣化は少ない。

そして、しっかり磨き込んでいけば、美しい艶がでます。

高級に見える要因の一つでしょうね。

デメリットもあります。

黒なので、キズが付きやすい。

そして冒頭でも伝えしたように、ホコリなどの汚れが目立つ。

加工賃が割高。

こんなところでしょうか。

ですが、黒い石には他の石に無い魅力が詰まっています。

その魅力は寒い地域で特に発揮されます。

その証拠に、秋田、青森などの北国では黒石の割合が驚くほど高い。

冬場で雪に埋もれても見えなくなり難いのです。

そして、水分を含み難い事から、表面の劣化速度が遅い。

見た目的にも、持ち得る特徴的にも優れているのです。

黒い石は、不思議と人を惹き付ける力があるのです。


〔お墓ことば〕

重厚感のあるお墓は宿る魂も重い


色による選ぶ指針を、続けています。

ここからは、2色、3色など、数色の色の組み合わせについてお話をしたいと思います。

2色の色の石を使うケースで、最も多いのは

【墓石本体】

【土台】

もしくは

【外柵】

というケース。

その場合は、上の墓石本体が色の濃い石、下の土台が色の薄い石を使うのがセオリーとなります。

理由は、色の濃い方が目立ち、そちらが映えるから。

という、見た目からの理由が一つ。

そしてもう一つは、色の薄い石、白系の石は、水を吸い上げての変化が起きた際、

【見た目的に目立たない】

という利点があります。

逆に黒系の石は、水の吸い上げ自体が少なかったり、見た目の変化がありません。

なので、敢えて、真っ黒の石を土台にする方も居ます。

※とても少数派です。

見た目より石の持つ質的数値を 重視する選び方。

ただ、その場合に墓石本体よりも、土台の方に目がいってしまい、少しもったいない気が致します。

せっかく2色の石を使うのであれば、墓石そのものを引き立たせる組み合わせの方が、墓石屋としてはお薦めです。

では、2色以上の石の組み合わせを、墓石本体に使用するケースはどうなのか?

その場合は、似た感じの同色系を使う時と、敢えて逆色系を使う時に分かれます。

似た感じの色を使う時は、見た目の柄も同じ石を使うか、石目の細かさを変えて使うか。

考え方としては、竿石などのメイン部分をご自身の気に入った石にして、後で周辺部分を決めていく。

過去の経験から、その方がまとまった感じに仕上がると思います。

そして、逆色系を使う場合。

黒ベースの中に、アクセントで白や赤を配置する。

グレー系の中に、一部分だけ赤、黒を使う。

逆もまた然り。

白系メインで、文字の彫り面に当たる部位に黒石をはめ込む。

もしくは、文字部分をくりぬいて、違う色の石をはめ込む。

文字ではなく、花などの柄を別の石で表現する方法もあります。

※技法的には象嵌(ぞうがん)といいます。

かつては、メインの竿石だけ良い石を使い、台座はすべて粗石でつくることもありました。

最近ではあまりそういった石使いはありません。

そして、上記のような2色、3色の石を使う場合は、海外の石の方が使いやすいです。

理由は、色合いが豊富で、少量でも金額の割り増しが少ないから。

もちろん、日本の石にこだわる方にとっては、海外の石を使うこと自体がNG。

そんな時は、日本の石でまかないます。

赤系は万成石や竜王石。

緑系は矢掛石、本小松石。

黒系は山崎石、浮金石。

青系は天山石や内垣石でしょうか。

希少な石もあり、すぐ手に入るかどうか分かりませんが、存在はしています。

過去にも何人かチャレンジした方がいますので、ご検討下さる方はお声掛けください。

まとめとして、2色以上の石を使う場合は、ただ目立つためではなく、なぜ、その色の組み合わせなのか、そして、どこにどの色を使うのかなどの配分・配置に意図を持って下さい。

じゃないと、ちんどん屋、ピエロのようなお墓になってしまいます。


〔お墓ことば〕

今までにないすべてを受け入れることが 個性的なお墓を生み出す秘訣


さて、ここまではお墓の選び方の中でも、

【色】

にフォーカスして、お話をさせて頂きました。

どうだったでしょうか?

グレー、白、黒、赤や緑。

そして、組み合わせる時の注意点など。

もし、具体的な色の不安がありましたら、遠慮なくご相談下さいね。

→ info@yatasekizai.com

さて、今からはテーマを少し変えていきます。

今日からのテーマはズバリ

【価格】

です。

何だかんだ言っても、やっぱり

【価格】

は大切ですよね。

なので、改めてお墓の価格について、お話を進めて行こうと思います。

先ず、大切なことは、お墓の価格について、その中身が何なのかを知ることです。

お墓の価格には、いろんな項目があります。

例えば・・・

・石そのもの
(原材料としての石材の費用)

・加工費
(原石を加工してカタチをつくる費用)

・彫刻費
(文字や家紋などの彫刻費用)

・施工費
(墓石を墓地に設置するための工事費用)

・基礎工事費
(墓石を設置するための基礎をつくる費用)

・特殊加工費
(地震対策や石材表面のコ―ティングなどの費用)

・その他備品など
(玉砂利やお塔婆立て、お地蔵さまなどの費用)

・外柵費
(墓石以外の建造物がある場合は別費用)

などなど。

ざっと、あげてみましたが、これ以外の事もお墓づくりには必要となってきます。

例えば、

・墓石完成時のさらし

・開眼式のお供物

・納骨式の介添え

・お式全般の準備・焼香台など

・工事に必要な書類の作成

・完成後のメンテナンス

・次世代への承継に向けた準備や資料づくり

・寺院さまなど導師との調整

・図面の作成

・文字原稿の作成

他にもあると思いますが、取り急ぎ思いついたものを書き連ねてみました。

目に見える墓石だけではなく、付随するサービスも含めて

『お墓づくり』

です。

価格の中身はしっかり確認して、何が含まれ、何が含まれていないのか、事前に認識しておく必要があります。

私どもが行なうことと、お客さま自身で行うことを知っておくことが大切です。

そして、これらの項目は、すべてレベルがあります。

分かりやすいのは【石材】。

石のランクは様々です。

採石場などの山元が定める石材のランクがあります。

加工する工場によって、技術の違いがありますから、加工精度による出来栄えが変わります。

文字の彫刻もすべて同じではありません。

機械で書かれた文字と書家先生の書いた文字はまったく違います。

これらの要因から、ひとことで

【墓石】

といっても、ものすごい違いが生まれます。

なので、墓石の価格を決める時は、その中身を詳しく知ることが大切です。

安ければ、安い方がよいとは思いますが、そのお金にみあった価値があるのかどうか。

ここが大切です。

価格そのものだけではなく、その中身を吟味して、価値があるかどうかを判断して下さい。

そして、何が価格に含まれ、何が含まれていないかを知り、自分で行なわないといけないことは何のか、ここを確認してください。


〔お墓ことば〕

墓石に付随する数字は 表面だけでなく中身を吟味する


改めてお墓の価格について、お話をさせて頂きました。

内容はその中身、内訳。

一言で

『お墓』

といっても、その中身は千差万別。

石そのものはもちろんのこと、加工や施工の技術にも差がある。

そして、付随するサービスはさらに違いが明確です。

そんなお墓の価格ですが、よく聞かれるのが、

『相場はいくら?』

というご質問。

以前にもお伝えしたと思うのですが、相場に関しては、ほとんど無視しても構いません。

なぜなら、お墓に限らずだと思うのですが、あなたや私が物を買う時、世間は関係ない。

【欲しいものがいくら必要なのか】

そして、

【いくらまでなら払えるか】

この2つでだけでOKです。

そもそも、お墓を買うという行為はその他の買い物と違い、初めて、且つ2度とない経験。

最初で最後です。

周りの方とも、状況が違います。

なので、相場なんてものはあまり気にしなくても良いと思います。

むしろ、相場を知ってしまったがために、

「自分の払える金額ではお墓つくれないかも・・・・」

「あの石を使ったお墓は少し分不相応かも・・・・」

「この程度のお墓つくっておけば文句言われないだろう・・・・」

などと、悲しい気持ちになってしまいます。

お墓をつくる時、世間など関係無いのです。

ご自身と家族、そしてお墓で祭られる方々が幸せになるのであれば、それで良いのです。

その為の金額がお墓の価格です。

そしてそのお墓の価格は、自分で決めればいいのです。

なので、お墓の価格には2通りしかありません。

ひとつは希望を積みあげて価格を決める方法。

欲しいお墓、つくりたいお墓を完成させるために必要な金額が○○円。

やりたいこと、使いたい石、望むデザインのお墓をつくると○○円になる。

という、

【積み上げ式】

の価格の決め方。

もうひとつは、上限を決めて、その範囲でやれることを行う。

例えば、

「予算は300万円」

「予算は100万円」

「予算は50万円」

「予算は20万円」

と決めてしまい、その範囲内で出来る事を精一杯やる。

【決め打ち式】

の価格の決め方です。

もちろん、墓石そのものに価格は設定されています。

どの石を使えば、いくらになるか。

デザイン変更したら、価格はどうなるか。

地震対策に必要な金額。

すべて決まっています。

詳細な価格設定は成されています。

しかし、それはそれ、これはこれ。

ですよ。

私どもは、お金の【ある】【なし】で、お墓がつくれる、つくれない、と連動しない世の中にしたいのです。

だから、相場とか気にせず、出来る事を精一杯で良いと思うんです。


〔お墓ことば〕

上から決め打ちするか 下から積み上げるか お墓への道は2つある


ちょっとお墓の話からずれますが、妻と息子が出かけた時、

【たい焼き】

を買ってきてくれました。

昔からあるたい焼き屋で、近場で用事があったから、立ち寄ったと言ってました。

久々にたい焼きを食べました。

餡子が美味い事は言うに及ばず、皮はカリッとして、且つモチモチの食感でした。

小さいですが、名の通った店。

さすがだなと、唸りました。

しかも、驚くことに安いんです。

たいやきって、そんなに食べませんが、祭りの屋台で売られているのはちょっと高いですよね。

しかも、あまり美味くない。

でも、そこでしか買えない、お祭りの高揚感もあり、ついつい買ってしまう。

※子供たちがです。

場所代なども含まれているんでしょうね。

こんな経験などから、価格が高い≠高品質ではないとどなたも認識しています。

しかし、墓石に関しては、皆さま勘違いが多い。

高額であれば、良いものじゃないだろうか?

と思ってしまう。

しかし、実際はそうでもない。

何度かお伝えしている事実です。

特に石材そのもの。

お墓の値段の中で、原材料として石の占める割合は大きい。

なので、高額なお墓は石の質が良いと思われがち。

もし、その理論が正しければ、最終的な金額が高くなればなるほど、お墓は高品質になるはずです。

しかし、素材である石自体は、高額であっても、質そのものが良い訳ではないと知っておいて下さい。

高額なお墓には、

・加工の精度が高い

・施工に手間がかかる

・完成までの工程の長さ

・式典の介添えなどサービスの充実

・完成後のメンテナンス計画

など、石そのもの以外が占める事柄は多くなります。

原材料としての石材は、人気のある石が高額なのです。

そして流通の透明性。

これも重要です。

横流し品や偽物が、流通しないような管理体制をつくることで安心して
ご利用頂けます。

こういったことにも、お金がかかり、結果的に石の代金に跳ね返ってきます。

需要と供給です。

必要だから高くなる。

不要だから安くなる。

数が少なく、欲しい人が多い石が高額になるのです。

※数の多い、少ないに関しては、市場が全国なのか、全世界なのか、もしくは地域限定なのかで、分母が変わります。

※採掘量自体の多い少ないだけでは、判断しかねますことをご了承ください。

もちろん、加工精度でも金額が変わります。

例えば、研磨の工程数。

石を磨くとき、研磨盤で磨きます。

粗い砥石からかけ始め、少しづつ細かい砥石に変えます。

その過程が少なければ、下地ができていない状態で、無理やり光らせる事につながります。

中国の石材加工場で、技術レベルの低い所などは、5、6工程で終わりです。

矢田石材店の工場では、9から10工程になります。

施工に関しても同じです。

墓石を建て上げ、その日で完成させるか、もしくは日を改めて、仕上げの工程を設けるか否か。

技術を持った職人がどの程度日数をかけるで、出来栄えは全く変わります。

コンクリートの基礎強度も、配合方法、鉄筋の組み方、地盤のつくり方で様々変わります。

逆もまた然りで、安く終わらせようとしたら、安くできるのがお墓づくり。

なぜならば、建築物のように国などが定めた基準が無いからです。

建築関係の仕事であれば、すべての工程に理由があります。

使う接着剤の耐用年数、強度計算などはあたりまえ。

素材としての、石材の性質も数値で示されます。

そして何より、相手がそのことを分かった上で物事が判断されます。

依頼主が建築について知らないという事が無いという事です。

関わる人も多い。

ですが、お墓は違います。

つくる側と頼む側に、情報格差が著しく存在します。

乱暴な表現方法だと、買う側が何も知らないので、得る側の言いなりです。

騙そうとしたら、いくらでも騙せるのです。

値引きを要求されたら、目に見えないところでどれだけでも手抜きができる。

これがお墓づくりの恐ろしいところです。

大きな市営墓地などで、お弁当持って丸一日居て下さい。

いろんな石材業者が工事を行なっています。

その仕事ぶりを遠くから見学して見て下さい。

驚くほど、各者違う事やってますから。

出来れば、石材加工場の見学もおススメです。

こちらも、信じられない違いがあります。

お墓の価格は石の違いやランクではなく、施工技術や加工精度によっての違いの方が実は大きいです。

高額だから高品質だと、表面的な価格の大小を鵜呑みにせずその内容、技術、工程を確認してください。


〔お墓ことば〕

今できる目一杯をお墓で伝える


お墓価格の中身が大切ですよとお伝えいたしました。

石自体ではなく、加工精度、施工技術、そして出来た後のフォロー。

上記項目にこそ、違いが生まれます。

その部分に価値を見出して頂けたら、まず失敗はありません。

しかし、お金をかければいいお墓ができるのは、まあ、どなたが考えても分かること。

ところが、誰もがお墓をつくる時は、潤沢な資金を要している訳ではありません。

テレビやマンガで見たことがある

『金に糸目はつけない』

なんていう言葉は、今の今まで聞いたことはありません。

誰もが、

【予算】

があり、その中でやりくりをしているのです。

特に、以前お伝えした

【上限を決めてからお墓づくりに臨む方法】

を選択される方は、創意工夫が必要です。

お墓の強度、見栄えをなるべく変えずに、価格を低く抑えるアイデアです。

お墓を安くつくるコツというものは、確かに存在するのです。

もちろん、手抜きをするという簡単な方法を除かなければいけません。

その為には、頭を使うことと妥協が必要です。

具体的には、個々のお墓ごとの話なので、端的にはお伝えできません。

お墓をつくるお施主さまが

【何を大切にしているか】

が分からないと、

【何を残して何を削るか】

についてのアイデアが浮かばないからです。

とは言え、セオリーは存在します。

例えば、

・石材のランクを落とす。

・見た目がまあまあ同じの石に変更する。

・見えない部分の石厚を薄くする。

※最低限必要な強度は確保します。

・見た目をシンプルにして特殊加工を減らす。

・土台部分の石を変える。

・サイズを小型化する。

・人的サービスを自分で行なう。

※例えば、納骨式や工事届けの提出など。

他にも様々なアイデアがありますが、具体的なお墓が無いと表現しにくいので、ここらで止めておきます。

このように、お墓の価格を抑える工夫は、様々にあるという事を覚えておいて下さい。

お墓の価格は自分で決めて良いのです。


〔お墓ことば〕

創意工夫こそお墓づくりの醍醐味


価格の話が続きましたので、少し殺伐としてきました。

少々ブレイクタイムということで、実際にあったお墓づくりのお話をいたします。

先日、数年前にお墓をつくらせて頂いたお施主まから、ご友人をご紹介されました。

奥さまを亡くされ、ご実家は四国にあり、一人娘は東京で暮らしているということ。

お墓について、ものすごく悩まれているご様子でした。

『進む道が無い』と。

まずはお墓について色々な胸の内をお聞き致しました。

細かな内容は割愛させていただきますが、最終的には、

『安心できた』

『ホッとしています』

『胸のつかえが無くなった』

『迷いが吹っ切れた』

『苦しかったんです』

『ありがとう』

と、大変喜ばれました。

お墓について、最近は批判的な意見や、不要論まで出る始末です。

私どもとしては、お墓の素晴らしさ、尊さ、偉大さの恩恵を十分すぎるほど受け取っていますから、

『不要』

なんていう方はどうしてそんな事言うのかな?と不思議でしょうがないのですが・・・。

とにかく、心が不安定な方にとっては、お墓の話題はとてもデリケート。

端的に

『つくればイイ!!』

『不要だ!!』

『何れ無縁になる!!!』

『しあわせになれる!!』

などと、一言では済まされません。

たくさんおしゃべりをして、心の中で思っていることを全部吐き出してもらい、その上で、ほんの少しだけ本当に進みたい道を照らして差し上げる。

それも含め、墓石屋の仕事、存在価値ではないかと思っています。

ここまでお墓の種類や選び方について、あれこれとお伝えしてきました。

しかし、お墓については数字や論理的思考だけでは、表しきれない想いもあります。

最終的には感情です。

頭ではなく、心のお話し

お墓をつくる、つくらないの選択に関しては特に、どちらが心落ち着き、気持ちが休まるか。

つくるのであれば、どのような選択を取り続ける事が、心が解放され、気持ちよく祈れるか。

そんな想いや、願いに至れるかどうかがとても大切じゃないかと思います。

誰のためのお墓なのか。

何のためのお墓なのか。

誰が主となってお墓をつくるのか。

誰が手を合わせ祈るのか。

迷ったら、いつも基本に立ち返る。

お墓づくりは人生そのもの。

立ち止まることも、後ろ向きになることも許されます。

今、進めないことも、後になれば必ず、その時間は必要だったと思う日が来ます。

あきらめさえしなければ。

そして、私達墓石屋はいつまでも待ち続ける。

お墓へ進むにも、お墓から逃げるにも、一緒になってその道へと足を踏み出します。


〔お墓ことば〕

お墓には誰もが足を止め手を合わせる


お墓の種類や選び方について、かなりの文字量でお伝えしてきました。

いろんな項目があったり、ややこしい話しなどもお伝えいたしました。

石選びの中でも、数値としても表されたりする、

・吸水率

・圧縮強度

・耐久性

が重要項目で、それぞれ選ぶコツをお伝えいたしました。

そして、墓石の種類。

大きく分けて、

・日本の石

・中国の石

そしてそれ以外の

・インドの石

・アフリカの石

・ヨーロッパの石

特徴は当然ありますが、独自の視点が大切です。

お薦めの石情報は、鮮度が大切なので、ご面談時に直接致しますね。

そして、石ではなくデザインに注目。

・和型墓石

・洋型墓石

・オリジナルデザイン墓石

に大別して、それぞれの特長と気をつけて頂きたい事柄を網羅

それぞれの墓石が、お互いを補い合っています。

ひとつだけではなく、視野を広げて頂くと、見えない事実がわかってきます。

そして、意外と重要な墓石の色。

・グレー

・白

・黒

・そして混合

気をつけて頂きたいのは、石のトレンドは時代によって変わること。

ちょうど今回の検品中でも、偶然新しい石を見つけてきました。

これらの情報は、鮮度が大切。

また、都度都度聞いて下さいね。

そして価格について。

その根拠が重要。

良い墓石を選ぶか、高品質な墓石を選ぶか、もしくは安価な墓石を選ぶのか。

どの選択も、ご自身のアイデアと、パートナーとなる墓石店次第で、如何ようにも変化します。

様々な選び方をお伝えいたしましたが、結局は

【誰と組むか】

が大切なのかもしれませんね。

これから有効にご参考頂けたら幸いです。

そして一番重要なことは

【あきらめない】

これに尽きると思います。

機会がありましたら、一緒にお墓をつくりましょう。


〔お墓ことば〕

お墓づくりは何をするかよりも 誰と一緒に行うかで成果が変わる


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