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墓石のデザイン

広い墓地に整然と並んでいるお墓は、どれも同じように映りますが、一つ一つを見ていくと、少しずつ違いがあることが分かります。
お墓を建てるということは、これから何十年何百年と、多くの方が目にするお墓を建てる、ということでもあります。
今回は、そのお墓の形について、お伝えしてしようと思います。

お墓の形

お墓の形は、大きく分けて「和型」「洋型」「デザイン型」の3つに分けられます。まずは、それぞれの特徴を知っておきましょう。

和型

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昔からある、いわゆる「ザ・お墓」です。一見どれも同じに見えますが、竿石(さおいし)の上部の形が少しずつ違っていたり、香炉などの小物類に工夫がなされていたり、地域性も見られます。
古いお墓に見られる「五輪塔(ごりんとう)」と呼ばれる、灯篭のような形をしたお墓も、和型の一種です

洋型

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和型に対して、洋風のお墓です。大型霊園の開発に伴い、外国人墓地のようなイメージにするために、使われ始めた形です。輸入石材が増えてきたことも、広まった要因の一つです。
曲線を取り入れた形にすると、お墓全体が柔らかく優しい印象になります。

デザイン型

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先祖代々の家制度から、個人の尊重へと移ってきた象徴です。
洋型よりも、さらに自由度が高く、フリーデザインです。オリジナル性があることから「オリジナル型」とも呼ばれています。
2015年に亡くなった噺家の桂米朝師匠のお墓は、各紙で取り上げられましたが、シンプルとオリジナル性を併せ持つ、なかなかのデザイン墓です。(※1)

矢田石材店のホームページ内『お墓の種類と価格相場』コーナーでは、各型のサンプルをご紹介していますので、一度ご欄になってみてください。

我が家のお墓はどんなお墓にしよう?

実際に、自分が建てるお墓は、どんな形が良いでしょうか。
形以外にも、押さえておきたいポイントをご紹介します。

墓地とお墓の形

寺院の墓地では、ほとんどが和型のお墓だと思います。長い歴史のなかで、形だけではなく、彫刻内容などにも、こだわられる寺院もありますので、早めにご住職様に相談してみると良いでしょう。
大規模霊園など、民間の墓地では、石材店が指定されている場合があり、霊園全体のイメージから、使用する石材や形までも限定されている場合があります。説明会や規約等で、よく確認しましょう。

墓地は、大切な故人や先祖を供養する神聖な場所で、多くの方が長い年月訪れる場所です。
自分の好みを主張するだけではなく、墓地全体の雰囲気に馴染む形にすることも大切です。

掃除しやすいお墓

現実的なことですが、どの墓地にどんな形のお墓を建てるにしても、掃除がしやすい、シンプルなデザインが一番です。
例えば、手入れがしやすい鍋や皿は、必然的に使用する頻度が高くなりますが、お墓も同じです。
手入れがしやすければ、掃除や墓参が億劫ではなくなりますので、お墓はいつもきれいです。そして、きれいなお墓なら、いつでも気持ちよくお墓参りができる、というプラスのサイクルが生まれます。
お墓の形がどれも似ているのは、そうなる理由がちゃんとあるのです。

具体的には、墓石に水が溜まる箇所を少なくするために、ゆるやかな傾斜をつける「水垂(みずだれ)加工」や、高齢になっても、手が届きやすい高さにするなど、ちょっとした心配りで改善できることばかりです。

まとめ

お墓は、単なる石ではなく、そこに眠る方への思いがあり、拝む対象でもあります。故人様の気持ちを大切にしながら、ご遺族の気持ちも大切にしてください。
 なにも、49日などの忌明けで納骨しなければならない、と焦る必要はありません。ご家族皆さまで、納得できるお墓づくりをして欲しいと思います。

 

【出典元】
※1:http://mainichi.jp/articles/20161107/k00/00m/040/072000c

【参考文献】
「心が強くなるお墓参りのチカラ」  矢田 敏起著(経済界発行)

文責 矢田 敏起